予防医学
「薬を飲みたくない」あなたへ〜薬だけに頼らない選択肢
目次を表示する
「先生、できれば薬は飲みたくないんです」
診察室で、少し申し訳なさそうにこうおっしゃる方は、実はとても多くいらっしゃいます。そしてそのたびに私たちがお伝えしているのは、「その気持ちは、わがままではありませんよ」ということです。
「薬を飲みたくない」の裏にある気持ち
薬を飲みたくない理由は、人それぞれです。「一度始めたら、一生やめられない気がして怖い」「種類が増えていくのが不安」「副作用が心配」「そもそも、なんとなく身体に悪い気がする」——。
どれも自然な感情です。大切なのは、その気持ちを我慢して通院をやめてしまったり、自己判断で薬を中断してしまったりする前に、医師に率直に話していただくことです。私たちは、その想いを出発点にして、一緒に治療の方針を考えたいと思っています。
薬の前に、できることがあります
たとえば血圧や血糖値が「そろそろ心配」という段階であれば、薬を始める前に取り組めることがいくつもあります。
- 食事の見直し:減塩や野菜を増やす工夫は、数値に目に見えて表れることがあります。完璧を目指さず「続けられる形」を一緒に探します。
- 身体を動かす習慣:激しい運動ではなく、一駅ぶん歩く、テレビを見ながら足踏みをする。そんな小さな積み重ねで十分です。
- 睡眠とストレスのケア:眠れない日々や強いストレスは、血圧にも血糖にも影響します。生活の背景まで含めてお聞きします。
当院では、こうした生活習慣の改善を「指導」ではなく「相談」として一緒に進めることを大切にしています。数値を叱られるのが嫌で病院から足が遠のいてしまった、という経験をお持ちの方にこそ、安心して来ていただきたいのです。
漢方という選択肢もあります
「検査では異常がないのに、つらい症状が続く」「西洋薬が身体に合わない」——そんな方には、漢方薬が選択肢になることがあります。当院には漢方内科があり、体質やお困りの症状をゆっくり伺いながら、その方に合った処方を検討します(漢方内科外来は完全予約制です。お電話でご予約ください)。
もちろん、漢方なら何でも解決するわけではありません。西洋薬が必要な場面では、その理由を丁寧にご説明します。大切なのは、「薬か、薬以外か」の二択ではなく、あなたの暮らしと価値観に合った組み合わせを見つけることだと考えています。
我慢する前に、話してください
薬に対する不安は、診察室で口にしていただいて構いません。「こんなことを言ったら、先生に悪いかな」と思う必要はまったくありません。
あなたの人生の主役は、あなた自身です。私たちはその人生に寄り添いながら、医学の知識でお手伝いをする存在でありたいと思っています。外来診療のご案内や受付時間は、公式サイトの外来診療ページをご覧ください。
関連記事
2026.05.22 内科外来
更年期の不調、それって病気?ひとりで悩まないで
「病気じゃないのに、つらい」。ほてり、だるさ、眠れない、気分の落ち込み——更年期のさまざまな不調との付き合い方と、受診の目安をやさしく解説します。
続きを読む2026.07.01 院長
「その人らしく生きる」を、支える。〜院長からのメッセージ
なぜ、としま昭和病院は「その人らしく生きる」を大切にするのか。薬を処方するだけの医療ではなく、予防医学、介護、自立支援まで。このメディアに込めた想いを、院長がお話しします。
続きを読む2026.06.19 医療連携室
「もう無理」その前に。地域包括ケア病床という選択肢
在宅介護の「もう限界かもしれない」に、追い詰められる前に知ってほしい。おうちでの療養と病院の入院のあいだにある「地域包括ケア病床」の役割を、やさしく解説します。
続きを読む